CV Path分析でわかった、CTV(TVer)がスマホの7.5倍成果に貢献する理由
「認知広告は効果が見えない」——テレビCMやデジタル音声広告のような認知施策を運用していると、必ずぶつかる壁です。ラストクリックベースの計測では、これらの媒体は「素通りされた広告」として過小評価されがちです。
今回、DSP「The Trade Desk」を活用し、アプリでの発注をコンバージョンとした「CV Path(コンバージョン経路)分析」を実施したところ、その常識を覆すデータが得られました。
背景:ラストクリック計測では見えなかった成果
従来の広告効果測定は「最後にクリックされた媒体」を基準にする、いわゆるラストクリック計測が主流でした。しかしこの方法には次のような課題があります。
- 過小評価される認知媒体:動画や音声広告を見て興味を持っても、後で検索してCVした場合、その貢献が無視されてしまう
- デバイス横断の断絶:テレビ(CTV)で広告を見て、スマホでCVするといった「クロスデバイス」の動きが追えない
実際、今回の検証でもラストクリック基準のCV数は201件でしたが、Path分析を用いて間接的な接触も含めると、CV数は1,521件(約7.5倍)にのぼることが判明しました。
実施内容:The Trade Deskによる態度変容の解像度向上
- 期間:2025年3月〜4月
- 配信媒体:TVer、Abema、Spotify、radiko
- 分析手法:CV Path分析(ユーザーごとの接触履歴・接触回数・接触からCVまでの期間を解析)
データが明らかにした3つの事実
1. TVer(CTV)は「たった1回」で記憶に刺さる
コンバージョンフローを分析したところ、PCやスマホでの接触と比較して、CTV(コネクテッドTV)単体でのインパクトの強さが際立ちました。
2. 最適な接触回数は「3回」。質の高い「1回」がカギ
フリークエンシー(接触回数)ごとのCPA分析では、3回目まではCPAが低下し、それ以降は上昇する傾向が見られました。特に初回購入においては、何度も広告を見せるより「インパクトの大きい1回の接触」が最もCV数が多く、CTVのような質の高い視聴環境への投資が理にかなっていることがデータで裏付けられました。
3. 「記憶に残る」CTVと音声広告。10日後も効果が持続
- CTV(TVer):初回接触から10日以内であればCV効果が持続。「後から思い出して検索する」記憶の定着が見られた
- 音声広告(Spotify):配信終了後も効果が持続。中長期的なCVを底上げした
- Web動画(スマホ):即効性はあるものの、ラストタッチベースでは4日以内に効果が減衰しやすい傾向
今後の展望:需要期に向けた「攻め」の予算配分
CTV広告は「雰囲気作り」の投資ではなく、スマホ広告よりもCPAが安く、かつ長く効く実利的な獲得施策であることがデータで証明されました。
- CTVへの予算シフト:費用対効果の最も良いTVer(CTV)を軸に、需要期の獲得最大化を狙う
- FQコントロール:無駄な接触を避け、最適な「3回接触」を目安にCPAを管理
- クリエイティブ改善:音声クリエイティブのABテストで反応率向上を目指す
認知施策の「見えない効果」を可視化し、予算配分の説明責任を果たすデータドリブンな運用体制構築については、ぜひお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. CV Path分析とは何ですか?
A. ユーザーがコンバージョンに至るまでの複数の広告接触履歴(接触媒体・接触回数・接触からCVまでの期間)を解析する手法です。ラストクリックだけでは見えない、認知施策の間接的な貢献度を可視化できます。
Q. ラストクリック計測とCV Path分析では、なぜこれほど数値が変わるのですか?
A. ラストクリック計測は「最後に接触した媒体」のみを評価するため、動画や音声広告を見た後に検索してCVした場合の貢献が無視されます。CV Path分析では間接的な接触も含めて評価するため、認知施策の実際の貢献度が正しく反映されます。